

キャベツは、古くから薬草と使われていたんだ。キャベツの祖先であるケールは、私たちがよく食べているキャベツのように、葉が巻いていなくて、背が高くなる植物なんだ。日本では青汁の材料として知られているね。ケールは、スペインのあたりに住んでいたイベリア人が野生のものを利用していて、その後、地中海沿岸に侵入してきたケルト人たちが栽培することによって、ヨーロッパに広まっていったんだ。キャベツという言葉は、もともとケルト語でブレジックといって、キャベツの学名のブラシカ属オルラケアは、このケルト語からきているんだよ。

古代ギリシャやローマでは、薬草としてのキャベツの研究が行われていて、たくさんの書物が残されているよ。数学者であり哲学者であるピタゴラスは、「元気と落ち着いた気分を保つ野菜」と書いたし、カトーという古代ローマの政治家も、「農業について」という本で、キャベツが胃によいことを書いたんだ。キャベツの栄養や効果には、昔から注目されていたんだね。 古代ギリシャやローマでは、キャベツがおさけの酔いをさますといわれていたんだ。ギリシャでは、おさけを飲む集まりには、まずキャベツのスープを飲んでから始まるという習慣があったんだって。また、ヨーロッパではキャベツの葉を焼いて、傷口やしもやけにつけると治るといわれていたんだよ。

中世スコットランドでは、若者たちが目かくしをしてキャベツ畑に行き、引き抜いた根に土がついているかどうかや、かじったキャベツの葉っぱの味で恋占いをしていた。この恋占いによってヨーロッパでは、赤ちゃんはキャベツ畑からやってくる、なんて言い伝えが広まったんだ。

葉のまいてあるキャベツは、古代ローマの大カトー時代にもあったんだけど、本格的に葉がまいてあるキャベツが作られるようになったのは、13世紀のイタリアなんだって。なぜキャベツの葉っぱは、巻くものだけが残ったんだろう。
それは葉が巻いてあると、
- やわらかくなっておいしい
- 日持ちがしていたみにくい
- 病気にかかりにくかったり、虫がつきにくい
という特ちょうがあるからなんだ。人間が食べやすいものを選んで育てていくうちに、葉が巻くものだけが食用として残っていくようになったんだって。葉が巻いているキャベツはヨーロッパからアメリカに伝わって、いろんなキャベツが誕生したんだ。

